コールセンターのオペレーターが目指すべきKPI(Key Performance Indicator)は、以下のようなものが挙げられます。
・応答率(Answer Rate):電話をかけた顧客からの問い合わせに対して、一定時間以内に応答した割合を示します。
・平均処理時間(Average Handling Time) :オペレーターが顧客と話した時間を平均した値です。
・初回解決率(First Call Resolution Rate):顧客の問題を、最初にかかった電話で解決した割合を示します。
・放棄率(Abandonment Rate):顧客が電話を切った割合を示します。
・サービスレベル(Service Level):一定時間以内に電話に応答する割合を示します。
・カスタマーサティスファクション(Customer Satisfaction) :顧客がオペレーターのサービスに満足している割合を示します。
これらのKPIは、コールセンターの業務の効率性や顧客満足度を評価するために用いられます。オペレーターはこれらのKPIを意識しながら、効果的なコミュニケーションと問題解決能力を活かして業務に取り組んでいくことが求められます。
その中でも、今回は、サービスレベル(Service Level)について解説いたします。
なぜサービスレベル(Service Level)が重要なのか
コールセンターにおけるサービスレベル(Service Level)とは、電話やチャットなどの問い合わせを受け付けた後、一定時間以内に対応するための目標時間を示す指標のことです。つまり、コールセンターがお客様からの問い合わせを迅速に処理することができるかどうかを測る指標となります。具体的には、お客様からの問い合わせに対して、一定時間内にオペレーターが応答する割合を表します。サービスレベルの達成率が高いと、顧客満足度向上および競争優位性の確保もできるようになります。またサービスレベルを高めていくためには、適切なスタッフ数やトレーニング、技術、プロセスを導入する必要があります。これにより、効率が上がり、コスト削減や生産性の向上が期待できます。
サービスレベルの目標数値
一般的には、サービスレベルは「80/20ルール」と呼ばれるルールに基づいて設定されます。これは、80%の電話に対して、20秒以内に応答するという目標を示すものです。つまり、お客様からの電話のうち80%については20秒以内に応答することが求められます。
サービスレベルの数値目標は、企業や業界、コールセンターの規模や機能によって異なります。一般的には、サービスレベルの目標は、80%以上から90%程度が設定されます。ただし、金融業界や医療業界など、対応が時間的に非常に重要な業界では、90%以上の高い目標が設定される場合もあります。また、ピーク時やアウトバウンドコールなど、コールセンターによっては、より高い目標が設定されることもあります。目標は、現状のコールセンターの業務状況や顧客ニーズに応じて、柔軟に設定・見直しが行われることが望ましいです。
サービスレベルの目標を達成するには
以下に、コールセンターでサービスレベルを上げた事例をいくつか紹介します。・スキルアップトレーニングの実施
あるコールセンターでは、オペレーターのスキルアップトレーニングを実施しました。具体的には、顧客からの問い合わせに対する回答の質を向上させるために、商品やサービスに関する情報の定期的な更新や、より適切な回答を導き出すためのトレーニングを行いました。その結果、オペレーターの対応力が向上し、サービスレベルが大幅に改善されました。
・コールルーティングシステムの導入
あるコールセンターでは、コールルーティングシステムを導入しました。このシステムは、顧客の問い合わせ内容に応じて、最適なオペレーターにコールを転送する機能があります。これにより、オペレーターの負荷を均等に配分でき、サービスレベルの向上につながりました。
・オペレーターのシフト管理の見直し
あるコールセンターでは、オペレーターのシフト管理を見直しました。具体的には、ピーク時にはより多くのオペレーターを配置することで、待ち時間を短縮しました。また、非ピーク時にはオペレーター数を減らすことで、無駄な人件費を削減しました。これにより、サービスレベルが向上し、運用コストも削減できました。
これらの事例からわかるように、サービスレベルの改善には、オペレーターのスキルアップ、システムの導入、シフト管理の見直しなど、さまざまな方法があります。コールセンターにおけるサービスレベルの改善には、現状の問題点を把握し、適切な施策を講じることが重要です。
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