雇用調整助成金はアルバイトも対象になる?支給の流れも解説!

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この度の新型コロナウィルス感染症への対策として、政府は各種助成金を拡充してきました。その代表的なものが「雇用調整助成金」と呼ばれるもので、困難な状況下でも従業員の雇用を維持するために努力している事業主へ支給される公的助成金です。
では、雇用調整助成金とはどのような制度で、どうしたら利用できるのでしょうか。従業員はアルバイトやパートが中心となる飲食店や小売店などの企業でも、助成金を受け取れるのでしょうか。今回は、新型コロナウィルス感染症での特例の雇用調整助成金と、そのうちでアルバイトも対象になる緊急雇用安定助成金について解説します。


雇用調整助成金とは

外的な要因で売上が減った企業を対象として、従業員への休業手当の一部を助成するのが雇用調整助成金です。この制度自体は以前からありましたが、新型コロナウィルス感染症による企業の経済活動停滞への対策として、現在特例措置がとられています。

雇用調整助成金(特例)の概要
雇用調整助成金(特例)とは、新型コロナウイルス感染症の影響により事業活動の縮小を余儀なくされた場合に、従業員の雇用維持を図るために、雇用調整(休業)を実施する事業主に対して休業手当などの一部を助成するものです。

今回の特例措置によって、通常は必要な休業計画届の事前提出が不要になるなど、事業主が使いやすい制度となりました。
雇用調整助成金(特例)を受給するための具体的な条件は、次の通りです。

・新型コロナウィルス感染症の影響で事業活動が縮小し、最近1ヵ月間の売上高や生産量などの生産指標要件が前年同月比で5%以上減少していること
・労使間協定に基づいて休業などを実施しており、休業手当を支払っていること(休業手当は平均賃金の60%以上)

なお、本特例措置は、2020年4月1日から2021年4月30日までの期間を1日でも含む賃金締切期間を対象として実施されています。

対象となる事業主と労働者
雇用調整助成金(特例)の助成対象となるのは、雇用保険被保険者を雇用する事業主で、労働者に直接支払われるものではありません。
雇用調整助成金(特例)では、新型コロナウィルス感染症で経営が苦しい企業が、労使間協定に基づいて従業員を解雇せずに休業などに取り組む場合に、申請により休業手当の全部または一部が支給されます。

支給額の限度や日数
雇用調整助成金(特例)の助成額は、「(平均賃金額×休業手当などの支払率)×助成率」です。助成率の詳細は、次の通りです。

・解雇などがある事業主:大企業2/3、中小企業4/5
・解雇などがない事業主:大企業3/4、中小企業10/10

雇用調整助成金(特例)の上限額は、従業員1人1日当たり15,000円で、対象期間内に休業した日数分(1月当たり22日まで)だけ支払われます。また、支給日数の上限は、原則として1年で100日分、3年で150日分となります。

なお、まん延防止等重点措置区域で、知事の要請で営業時間短縮などをする大企業は、解雇などがある場合が4/5、解雇などがない場合が10/10となる特例が実施されています。


アルバイト雇用も緊急雇用安定助成金の対象となる!

上記の雇用調整助成金(特例)は、雇用保険被保険者を雇っている企業向けの制度でした。しかし、今回の新型コロナウィルス感染症では、飲食店や小売店など従業員の多くがアルバイトやパートである飲食店や小売店が多くのダメージを受けています。そこで、雇用調整助成金(特例)から派生して、アルバイトなど非正規労働者を雇用する事業主に対する「緊急雇用安定助成金」制度が設けられたのです。

緊急雇用安定助成金とは
新型コロナウィルス感染症という未曾有の非常事態に対応して、アルバイトなど非正規労働者の雇用維持の必要が出てきました。厳しい経済情勢で、特にアルバイトなど弱い立場の非正規労働者が大量解雇されたり、契約を打ち止めされたりすることなどを、国を挙げて防止しようということです。
そこで、非正規労働者がアルバイトやパートなど雇用保険非加入者を多く雇う飲食店などの事業者が、従業員を解雇せずに支払った休業手当の一部または全額の補償をするものが、緊急雇用安定助成金です。

助成率と助成金の上限額
緊急雇用安定助成金の助成率や助成上限金額などの詳細は、雇用調整助成金(特例)と同一です。また、雇用調整助成金(特例)と緊急雇用安定助成金は同時に申請できます。


助成金支給までの流れ

では、雇用調整助成金(特例)と緊急雇用安定助成金が実際に支給されるまでの流れは、どうなっているのでしょうか。

支給までの手順
雇用調整助成金(特例)または緊急雇用安定助成金は、次の流れで支給されます。

1 休業を計画し、労使協定を締結します。特例の場合は、計画届の提出は不要です。
2 実際に休業を行います。
3 休業実績に基づき、支給の申請をします。事業所住所地のハローワークまたは労働局に申請します。方法は、窓口提出、郵送(記録付きの方式で、期限までに必着)、オンラインのいずれかです。
4 労働局で内容の審査を行います。
5 支給が決定したら、口座に振り込まれます。

必要書類
緊急雇用安定助成金を受け取るためには、次の書類の提出が必要です。

・雇用調整事業所の事業活動の状況に関する申出書
・支給要件確認申立書・役員等一覧
・休業・教育訓練実績一覧表
・助成額算定書
・休業等支給申請書
・休業協定書
・事業所の規模を確認する書類
・労働・休日の実績に関する書類
・休業手当・賃金の実績に関する書類

なお、添付書類が必要な項目もありますので、詳細は厚生労働省のページなどをご参照ください。


まとめ

今回は、新型コロナウィルス感染症対策としての「雇用調整助成金(特例)」と、アルバイト雇用にも適用される「緊急雇用安定助成金」について解説しました。
厳しい経済状況下でもアルバイトなどの従業員の雇用維持に頑張っている事業主の方には、公的な助成金制度が用意されています、ぜひ有効に活用してください。