アルバイトでも失業手当は受け取れる?

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新型コロナウイルス感染症の影響で、アルバイトなどの非正規労働者を多く雇用する飲食業・小売業などを始めとした企業は経済的な大打撃を受けました。企業は人員整理を決断せざるを得ない状況かもしれません。
では、アルバイトが失業した場合、いわゆる失業手当は受け取れるのでしょうか。また、受給までの期間の就業は可能なのでしょうか。この記事では、失業手当に関して詳しく知りたいという方に向けて、雇用保険制度の概要と注意点を解説します。


失業手当とは

失業手当とは、雇用保険の加入者を対象に、失業中の生活維持のために給付される国からの手当です。失業してしまった人が生活に窮することがなく、少しでも早い再就職を実現できるよう、公的保険制度として整備されています。
なお、失業保険と呼ばれることもありますが、正式には「雇用保険の失業等給付の基本手当」と呼びます。以下で需給条件や期間についてみていきましょう。

失業手当を受給できる条件
失業手当の受給は、本人の就労に対する意思や能力があり、それに向けた努力をしているにも関わらず就労ができない「失業の状態」に該当していることが前提です。そのため、雇用保険の加入期間や退職理由など、以下に挙げる一定の条件を満たすことで失業手当の受給対象となります。

・自己都合退職の場合、離職の日以前2年間に、雇用保険の被保険者期間が通算して12ヶ月以上あること
・会社都合など自己の意思に反する正当な離職理由がある場合、離職の日以前1年間に、雇用保険の被保険者期間が通算して6ヶ月以上あること

失業手当の受給期間
失業手当は、原則として離職の翌日から1年間受給できます。ハローワークによれば、離職日の年齢や雇用保険の被保険者期間、離職の理由などで判断され、90日から360日の間で決められます。ただし、所定給付日数によっては延長される場合もあります。


アルバイトでも失業手当はもらえるのか

ここで、「アルバイトでも失業手当を受け取ることは可能なのか」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
結論から言うと、週20時間以上、31日以上の就業を継続が見込める場合は、アルバイト従業員も雇用保険の対象者となるため、失業保険を受け取ることができます。雇用保険加入の有無は、アルバイト勤務開始時に渡される雇用契約書に労働条件として記載されているので確認しましょう。

実際にアルバイトが退職・契約満了・解雇・倒産などで失職した場合に、失業手当を受けるためには、以下の条件に該当している必要があります。

・前述した一般条件と同様に、ハローワークにおいて求職申し込みを行い、再就職したいという自身の積極的な意思があって、またいつでも就労できる能力を有しているにも関わらず、ハローワークや自身が努力しても就労できない「失業の状態」にあること
・離職日の以前2年間に、雇用保険の被保険者期間が通算で2ヶ月以上あること

受給に必要な手続きと必要書類
失業手当を受け取るには、ハローワークで求職の申し込みをする必要があります。求職申し込みの際には、次の書類が必要です。

・雇用保険被保険者離職票:離職票には「1」と「2」があり、いずれも勤務していた会社が発行するものです。退職理由が記されていて、同意できない場合は「異議あり」と書くこともできます。自筆署名と押印が必要です。
・雇用保険被保険者証:被保険者番号の確認に必要です。勤めていた会社で保管していて、退職時に手渡されることが多いため、こちらも忘れないようにしましょう。
・身元(実在)確認書類:マイナンバーカード、運転免許証、官公署発行の身分証明書、写真付き資格証明書などのうち、いずれか1つが必要です。
・個人番号確認書類:マイナンバーカード、マイナンバー通知カード、または個人番号が記載されている住民票のうち、いずれか1つが必要です。
・本人名義の預金通帳かキャッシュカード:失業手当の振り込み口座になります。
・証明写真:最近3ヶ月以内に撮影した、正面上半身で縦3.0cm×横2.5cmの写真を2枚使用します。
・印鑑:紙の書類に押印するために必要です。

必要書類を提出した後の流れ
ハローワークへ書類を提出した後、受給資格の確認と判定が行われます。
判定に通ったら、ハローワークから「雇用保険受給者説明会」の日時が通知されますので、必ず参加しましょう。雇用保険受給者説明会では、失業手当の詳細や求職活動についての情報提供が行われ、失業認定日が指示されます。

これ以降は、4週間ごとに失業認定日が設定されます。決められた認定日にはハローワークに出向き、再就職活動に努力していることを示す報告書類を提出し、失業認定を受けましょう。失業認定されると、金融機関の5営業日後に基本手当が振り込まれます。


失業手当の給付期間中にアルバイトは可能?

離職後から求職申し込みまでの間、アルバイトとしての就業は可能です。しかし、求職申し込み後の7日間は全員に待機期間があり、この間は失業手当を受けることはできず、アルバイトもできません。

しかし、特に自己都合退職などの場合は2ヶ月の給付制限期間が設定されているので、その間の生活費を確保する必要があります。ここで気を付けるべきは、週20時間以上、31日以上の勤務に該当すると、雇用保険の対象となる「就職」とみなされ、失業手当が受給できなくなるということです。そのため、給付制限期間のアルバイトは、契約期間を明確にし、週20時間以内に収めるようにしましょう。

会社都合退職での退職であれば、失業手当の給付制限期間はありません。そのため、失業手当の給付後であれば、自由にアルバイトができます。ただし、新しい勤務先の労働時間や給与によっては、失業手当が減額・先送りになる可能性があります。そのため、給付期間中にアルバイトをする場合は、「失業認定申告書」を提出したうえで、就業について申告する必要があります。忘れずに正確に申告しましょう。


まとめ

一定の条件を満たすアルバイトは雇用保険の対象となり、失業した場合は失業手当が支給されます。失業手当を受給するためには、この記事で解説したとおり踏むべきステップや留意すべきポイントがあり、また、今後は新型コロナウイルス感染症の状況によっても変動する可能性があるでしょう。気になる方は、まずは労働局やハローワークのウェブサイトで詳細を確認することをおすすめします。

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