コールセンターのオペレーターが目指すべき平均通話時間(Average Handling Time)とは?

優秀なオペレーターを育てるために必要な5つのポイント

コールセンターのオペレーターが目指すべきKPI(Key Performance Indicator)は、以下のようなものが挙げられます。

・応答率(Answer Rate):電話をかけた顧客からの問い合わせに対して、一定時間以内に応答した割合を示します。

・平均処理時間(Average Handling Time):オペレーターが問い合わせを処理する時間を平均した値です。

・初回解決率(First Call Resolution Rate):顧客の問題を、最初にかかった電話で解決した割合を示します。

・放棄率(Abandonment Rate):顧客が電話を切った割合を示します。

・サービスレベル(Service Level):一定時間以内に電話に応答する割合を示します。

・カスタマーサティスファクション(Customer Satisfaction):顧客がオペレーターのサービスに満足している割合を示します。

これらのKPIは、コールセンターの業務の効率性や顧客満足度を評価するために用いられます。オペレーターはこれらのKPIを意識しながら、効果的なコミュニケーションと問題解決能力を活かして業務に取り組んでいくことが求められます。

その中でも、今回は、平均通話時間(Average Handling Time)について解説いたします。


なぜ平均通話時間(Average Handling Time)が重要なのか

コールセンターにおいて、平均通話時間(Average Handling Time)は、顧客の満足度やコールセンターの効率性に影響を与えるため、重要な指標の一つとされています。

以下に、平均処理時間が重要な理由をいくつか挙げます。

・コスト効率:コールセンターの運営において、オペレーターの人件費や通信費など、コストがかかります。平均処理時間が長い場合、オペレーターが一人あたりの電話対応件数が減少し、コストがかさんでしまう可能性があります。そのため、平均処理時間を短くすることで、コスト効率を高めることができます。

・サービス品質:顧客は、自分の問題をすばやく解決してほしいと考えています。もし、オペレーターが長時間話をしていると、顧客は不快に感じる可能性があります。また、長い通話時間は、顧客の待ち時間も長くなることがあり、サービス品質の低下につながる場合があります。

・オペレーターのストレス:オペレーターが長時間の通話に対応する場合、ストレスがたまり、作業効率が低下する可能性があります。そのため、適切な平均処理時間を設定することで、オペレーターのストレスを軽減し、高いモチベーションを維持することができます。

以上のように、平均通話時間は、コスト効率やサービス品質、オペレーターのストレスなど、様々な観点から重要な指標となっています。



平均処理時間(Average Handling Time)とは

平均処理時間とは、オペレーターが問い合わせを処理する時間を平均した値です。実際に顧客と会話をした時間に加え、顧客との通話が終わった後に行う応対記録入力、顧客からの依頼内容に応じた手続き処理などにかかる時間も足した値を平均処理時間と呼んでいます。
なお、顧客と直接話をした時間の平均値は、平均通話時間(ATT/Average Talk Time)といい、顧客との通話が終わった後に行う処理などにかかる時間の平均値は、平均後処理時間(ACW/After Call Work)といいます。

平均処理時間=平均通話時間(ATT/Average Talk Time)+平均後処理時間(ACW/After Call Work)

平均処理時間(Average Handling Time)を改善するには

まずは目標値を設定し、その目標値に合わせて業務プロセスを設計することが重要です。目標値が明確であれば、エージェントやマネージャーがそれに向かって業務を進めることができます。

また平均処理時間の中でも、平均通話時間が長いのか、平均後処理時間が長いのかなど、データを収集し、分析することで、問題を特定し、改善策を立てることができます。

平均通話時間が長い場合
顧客からの問い合わせに対応するための標準的なスクリプトを用意することで、オペレーターが必要な情報を早く把握できるようになります。スクリプトに沿って対応することで、迅速に問題解決に取り組めるようになります。

またオペレーターの対応を定期的にモニタリングし、フィードバックを行うことで、目標値に向かって業務を進められるようサポートすることができます。モニタリングには、オペレーターが適切にスクリプトに沿って対応しているか、顧客に適切な情報提供ができているかなどを確認することが含まれます。

また問い合わせの種類に応じて、適切な担当者に割り当てることで、オペレーターの専門分野に合わせた適切な対応が可能になります。

平均後処理時間が長い場合
業務プロセスを見直し、必要のない作業や無駄な待ち時間を削減することで、時間を短縮することができます。また、問い合わせの種類に応じたルーティングや、顧客が自己解決できる情報提供をすることも有効です。

また、ITシステムの最適化や改善を行うことで、作業の効率化を図ることができます。たとえば、自動応答システムの導入や、CRMシステムの最適化などが挙げられます。

こうした改善策はありますが、時間を短縮しようとするあまり顧客の問題解決を十分に行うことができなければ本末転倒です。顧客の問題解決が、最優先事項であることを忘れてはなりません。

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