学生アルバイトでも雇用保険に加入できる?加入の際の注意点なども解説

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令和に元号が変わり、新型コロナウィルス感染症のまん延による経済ショックなどが起こりましたが、それでも必要なところに人手は不足していると言われる時代状況です。そのようななか、学生のアルバイトを貴重な戦力として活用している企業は多いでしょう。

しかし、例えば企業としてのコンプライアンスを考えたときに、学生のアルバイトでも雇用保険に加入しなければならないのかと、担当者の方は疑問に思われたことがあるかもしれません。そこでこの記事では、学生アルバイトが雇用保険に入るための3つの条件と2つの注意点について、詳しく解説します。


学生アルバイトが雇用保険に加入できる条件

雇用保険は、労働者が失業により収入を失ったときに、生活を安定させて早期の再就職を促進させるための社会制度です。雇用保険法の原則では、学生アルバイトは労働者とはみなされないため、雇用保険の加入義務は発生しません。
しかし、特定の条件に該当する場合は、学生アルバイトでも雇用に入れます。ではそれはどんな場合でしょうか。

学生アルバイトでも雇用保険に加入できるための具体的な条件は、次の3つです。

1.所定労働時間、すなわち雇用契約書や就業規則で規定された労働時間が、1週間に20時間以上であること。
ただし、週によって20時間以上だったり20時間未満だったりする場合には、労働時間が1ヶ月に87時間を超えるならば、雇用保険に加入できます。

2.雇用期間が31日以上続く見込みがあること。
これは、最初に勤務した日から、会社を辞めるまでの日数が31日以上ということを意味します。

3.昼間の学生ではないこと。
なお、法律上の「学生」とは、学校教育法の第1条で規定されている「学校」の学生・生徒などを指します。私塾やいわゆるフリースクールなど、法定外の「学校」は現時点では除外されていますので、留意しましょう。


昼間の学生が雇用保険に入る条件

しかしながら、前述の条件のうち特に「昼間の学生ではないこと」については、「実際の学生アルバイトの大半は昼間の学生なのだから、難しい条件なのでは?」と思われるかもしれません。
そもそも、「昼間の学生ではない」学生とは、夜間大学や定時制高校、通信制教育に在籍する学生のことです。これらの学生は、通常の雇用保険に加入できます。
一方、「昼間の学生」は学業が本分であるため、雇用保険で守るべき労働者ではないという整理になっているようです。

では、昼間の学生アルバイトは、雇用保険に加入することはできないのでしょうか。結論から言うと、昼間の学生アルバイトであっても、以下でご紹介する2つの条件を満たせば雇用保険に入れるケースがあります。

①卒業見込み証明書を持ち、卒業後も同一の会社で働く予定であること
第1の条件は、学生アルバイトが卒業見込み証明書を有していて、卒業前にその会社に就職し、卒業後も引き続きその同じ会社で勤務する予定であることです。

②学校を休学中であること
第2の条件は、学生アルバイトが休学中であることです。あるいは、一定の出席日数を修了要件としない学校に在籍する学生の場合は、その職場で正社員などと同じように勤務できると認められたならば、同様に雇用保険に加入できます。
なお、アルバイト学生が休学している場合は、その事実を証明する書類が必要です。必要に応じて取得を促しましょう。


アルバイトが雇用保険に加入する際の注意点

最後に、学生アルバイトが雇用保険に入る際に注意したいポイントを解説します。

労働時間が週20時間未満になると対象外になる
注意点の1つ目は、当初の契約を変更したことなどによって、勤務時間が週20時間未満になることです。
学生アルバイトの場合、勤務時間が変わることが多くあるかもしれません。採用当初は週20時間以上勤務だったとしても、契約変更で週20時間未満勤務になったならば、そこで雇用保険の加入対象から除外されます。
あるいは、例えば繁忙期は週20時間以上、その他の時期は週20時間未満という契約でも、雇用保険の対象にならないことにも注意しましょう。

掛け持ちの場合はいずれか1つの企業で加入する
注意点の2つ目は、雇用保険は1社でのみ加入できるということです。
学生アルバイトの場合、アルバイト先を複数掛け持ちしていることも多いでしょう。しかし、雇用保険はいずれか1社でしか加入できません。
複数のアルバイトを掛け持ちしている場合、そもそも労働時間の合算はできないため、いずれの会社でも雇用保険の加入条件(週20時間以上)を満たすこと自体が難しいかもしれません。しかし、もしも複数の会社で条件を満たしているならば、基本的には給料の高い方の会社で加入するのが一般的です。


まとめ

今回は、学生アルバイトでも雇用保険に入れるケースがあることをご紹介しました。
企業としても、頑張って貢献してくれている学生アルバイトに対して、できればきちんとした社会保障を付けてあげたいと考えるでしょう。また、今回ご紹介したような条件を満たす学生アルバイトならば、会社に対して一雇用者として深く関わっている存在であるに違いありません。雇用保険という形で会社としてきちんと福利厚生を提供できれば、さらに会社に貢献してくれる存在になるかもしれません。