深刻な人手不足に悩んでいる業界とは?人材不足解消のポイントについても解説

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「人手不足」は、現代において多くの企業が抱える課題です。人手不足に陥る企業には、「長時間労働」や「過酷な業務内容」など、いくつかの共通点が見られます。また、慢性的に人手不足になっている業種もあるようです。この記事では、人手不足が特に深刻な業界と、人手不足を解消するためのポイントをご紹介します。


日本の労働力人口

労働力人口は、仕事をすることができる15歳以上の人口のなかで、毎月末の1週間に収入が発生する仕事に従事した「就業者」と、仕事はしていないものの求職していた「完全失業者」を合計することで算出します。これは、一国における働く意思と能力を持つ人の総数で、国の経済力を示す指標のひとつです。

厚労省による2020年の全体の労働力人口は、平均6,868万人となり、昨年に比べて18万人の減少となりました。減少したのは8年ぶりのことです。
また、15~64歳の労働力人口は、2020年平均で5,946万人となり、前年に比べて34万人の減少となりました。男女別では男性が14万人、女性が20万人減少しました。

上記の結果から、少子高齢化が慢性的に続いていることがわかります。少子高齢化が続くと、企業においては継続的な人手不足が生じてしまいます。以下で、人手不足が深刻になっている業界を見ていきましょう。


人手不足が深刻な業界

人手不足が深刻な業界には、どんなものがあるでしょうか。業界の特徴や人手不足が起こる原因について、以下で詳しくご紹介します。

飲食業界
飲食業界で働く人の数は、正規社員と非正規社員をあわせると他業界と比べて非常に多くなっています。しかし、飲食業界は学生などの若い世代や非正規雇用の社員が多いことから、短期離職につながりやすく、人手不足が問題となっています。また、低賃金であることも人手不足を加速させている要因のひとつと言えます。

そのほか、飲食業界の競争の激しさも人手不足を悪化させています。多くの飲食店が数年以内に廃業するため、短期間で仕事を失う人も多くなっているのです。

医療業界
少子高齢化進んでいる日本では、医療や福祉、介護に対する需要が高まっている一方で、十分な医療人材の確保が難しくなっています。特に医療分野は人材育成に時間がかかり、就業者の人数が限定されてしまうことも人手不足の要因と言えるでしょう。

また、夜間勤務や休日返上の働き方、さらには給与面などの待遇なども人手不足を助長させていると考えられています。

運送業界
運送業界は、配食・デリバリーサービスやインターネットショッピングなどの需要が拡大しているのに対して、人手の供給が追いついていません。これが人手不足の大きな要因となっています。また、再配達問題が深刻になっていることにより、ドライバーの負担が増えていることも要因のひとつです。

さらに、長距離の配送や夜間の配送を担当する運転手が、自分の判断で休憩を取りにくく、生活が不規則になりやすいといった労働環境の悪化も問題視されています。

建設業界
建設業界は、技能労働者の高齢化が深刻化し、若い世代を中心に人手不足となっています。中堅の技能労働者が減少していることから、若手の育成環境が整わず十分な技術を教育する術が少なくなっているのです。

また、肉体労働や職人気質の技能労働者が多いことから、若い世代は建設業界を敬遠しがちです。今後、建設業界を支えている40代~50代の技能労働者が退職すれば、建設業界の人手不足はさらに深刻化すると予想されます。

IT業界
IT業界においては、制度や法令の新設や変更などが起こった場合、それに関連するシステムの改修を迅速に、そして正確に行う必要があります。そうしたことから、スキルの高い人材や即戦力となる人材が常に求められており、未経験者の就業が難しい側面があります。

また、休日や夜間帯など、ユーザーがシステムを使っていない時間に作業を行うことや、突然発生したシステムトラブルにも対応しなくてはならないことがあり、「体調や生活のサイクルが維持できない」ことを理由に離職する人が多いことも人手不足の原因となっているようです。


人材不足を解消するポイント

では、人材不足を解消するにはどうしたら良いのでしょうか。以下で3つのポイントをご紹介します。

①業務を効率化する
限りある労働力を最大限利用するには、業務効率化を図ることが重要です。業務内容を改めて精査し、「ムリ」「ムダ」「ムラ」がないか見直しましょう。

具体的には、システムの導入やツールを使用することが挙げられます。例えば、勤怠管理システムの導入によって、勤怠管理やシフトの作成の際にかかっていた手間やコストを削減したり、ツールを使用して業務の自動化を図ったりすることが可能です。

そのほか、アウトソーシング、すなわち業務の一部を外部に委託し、社員が働きやすい環境を作ることも有効でしょう。

②ポテンシャル採用を取り入れる
人手不足を抱える業界では、「ポテンシャル採用」を取り入れることも人手不足の解消につながります。
ポテンシャル採用とは、スキルや経験などといった「即戦力」としての面に着目するのではなく、人柄や素養、その人の持つ可能性などの内面的なポテンシャル(潜在能力)に着目した採用方法のことです。主に入社後に能力開発を行うことを前提としています。

採用のターゲット層となるのは、採用後の成長が期待できる20~30代の若手人材であることが大半です。ポテンシャル採用を行うことで優秀な若手人材を採用できるだけでなく、企業全体の若返りを図れるというメリットがあります。

③待遇を改善する
人材が集まらない場合、現在の条件や待遇などに問題がある可能性があります。多くの応募を募るためには、当然ながら求職者から見て魅力的な求人でなければなりません。そのため給与を上げる、福利厚生を充実させる、待遇を見直すといった対策を取ることが、企業には求められます。

これらの対策を講じるにはコストがかかりますが、長期的に見ると効果的なものばかりです。労働意欲の高い人材を採用することができれば、離職率が下がって人手不足を解消することにつながります。


まとめ

この記事では、人手不足が深刻な業界やその背景、また解決策についてご紹介しました。業務効率化や採用の見直し、待遇の改善などは人手不足解消に有効です。業務効率化に役立つ勤怠管理システムなどは、よく検討すればコストを抑えて導入できる場合もあるため、ぜひこの機会に試してみてはいかがでしょうか。