アルバイトは社会保険への加入が必要?加入条件やメリットを解説

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1 導入

社会保険には健康保険や厚生年金保険などがありますが、どれも安定した生活には欠かせないものばかりです。アルバイトであっても条件を満たしていれば加入する義務があるため、アルバイト従業員の方は、社会保険に入るメリットをよく把握して職場の制度を確認してみましょう。
この記事では、社会保険の種類をはじめ、加入する条件や主なメリットを詳しく解説します。



2 社会保険の種類

社会保険は、怪我や病気、出産、失業、労働災害、障害、老齢、退職、死亡などで生活が不安定になった際に、必要な保険給付を行う制度です。
社会保険には「労災保険」「雇用保険」「健康保険」「介護保険」「厚生年金保険」の5種類があり、それぞれ特徴や加入要件が異なるため一度確認しておきましょう。

2-1 労災保険
労働者の通勤時の怪我や病気など、業務に関連する労災に対して保険給付を支給する制度です。原則として、支給されるのは雇用主の負担金額に応じた保険料です。
労災保険は業種の規模に関係なく、アルバイトを含むすべての労働者に適用されます。

2-2 雇用保険
失業した方や教育訓練を受ける方に対して、失業等給付を支給する制度です。以下の労働条件に該当する労働者は、アルバイトや加入希望の有無にかかわらず加入する義務があります。

・1週間の所定労働時間が20時間以上である
・31日の雇用見込みがある

雇用保険に関する手続きは、職場の所在地を管轄するハローワークにて行われます。被保険者に該当するか迷う場合は、最寄りのハローワークに相談してみましょう。

2-3 健康保険
労働者やその家族が病気や怪我、出産、亡くなったときなどに医療給付や手当金が支給される制度です。健康保険加入時に交付される保険証を病院で提示することで、本人が病院の窓口で支払う額が治療費の3割になります。保険料は雇用主と労働者が折半するのが原則です。
健康保険は、適用事業所で働く労働者は加入が義務付けられています。アルバイトは、1日または1週間の労働時間と1ヶ月の所定労働日数が正社員の4分の3以上あれば加入対象となります。

2-4 介護保険
介護を必要とする方に介護サービスを提供する制度です。介護保険の被保険者は、65歳以上と40~60歳までの医療保険加入者に分けられます。40歳になると加入が義務付けられ、健康保険料とあわせて徴収されます。65歳以上の方は、年金から天引きされるのが基本です。
65歳以上の方は、原因を問わずに要介護認定、あるいは要介護認定を受けた際に介護サービスを利用できます。一方、40~64歳までの方は、加齢に伴う疾病が原因で要介護(要支援)認定を受けた際に、介護サービスの利用が可能です。

2-5 厚生年金保険
労働者が高齢で働けなくなったり、怪我や病気によって身体に障害が残ってしまったり、一家の支えとなっている労働者を失くしてしまったりした場合に保険給付を行う制度です。
適用事業所で働く労働者は加入者となり、アルバイトは1日、または1週間の労働時間と1ヶ月の所定労働日数が正社員の4分の3以上であれば対象となります。



3 アルバイトが社会保険に入る条件

ここまでも何度か触れましたが、アルバイトが社会保険に加入するには、正社員の労働時間の4分の3以上勤務していることが条件です。しかし、この条件を満たしていなくても、社会保険への加入が可能な場合もあります。以下でそれぞれの条件について解説します。

3-1 勤務時間が正社員の4分の3以上の場合
基本的に、アルバイトが正社員の勤務時間の4分の3以上働いている場合、社会保険に加入することが可能です。
ただし、最初の雇用契約期間が2ヶ月以内の場合は、要件を満たしていても加入できません。この場合は、2ヶ月の契約期間を超えた後や、超えることが確定した時点で加入可能です。
なお、40~64歳までのアルバイトの方は、健康保険料の中に介護保険料が含まれることになります。

3-2 勤務時間が正社員の4分の3未満の場合
勤務時間が正社員の4分の3に満たない場合でも、以下の5つの条件すべてに該当すれば、社会保険への加入が可能です。

・週の所定労働時間が20時間以上である
・1年以上の勤務期間が見込まれる
・月給が8.8万円以上である
・学生ではない
・従業員501人以上の企業へ勤務している

上記に該当するにもかかわらずまだ社会保険への加入が済んでいないアルバイトの方は、できるだけ早く健康保険協会に相談しましょう。



4 アルバイトが社会保険に入るメリット

アルバイトが社会保険に入ると、給付金を受け取れるなどのメリットがあります。なお、以下でご紹介するメリットの詳細は、厚生労働省のウェブサイトで確認可能です。

4-1 年金額が増える
厚生年金保険へ加入することで、老齢年金の給付額が増えます。加入していた期間分の国民年金と、厚生年金保険の両方を受給できるため、退職後の安定した暮らしを実現するうえでのメリットと言えるでしょう。

4-2 自己負担額が減る
厚生年金保険や健康保険の保険料の半分は会社側が負担します。結果として、個人ですべて負担するよりも少ない負担額で、手厚い制度を利用することが可能です。また、被扶養者の保険料負担がない点もメリットと言えます。

4-3 保障制度が充実しているs
医療保険(健康保険)の給付が充実している点も大きなメリットです。健康保険に加入すると、怪我や出産によって働けない場合に、賃金の3分の2程度の給付金を受給できます。
国民健康保険の場合は原則として傷病手当金がなく、怪我や病気で働けない場合には給付金を受け取れないため、社会保険には加入しておきたいところです。



5 まとめ

社会保険は、たとえアルバイトでも、加入条件さえ満たせば被保険者の対象となります。社会保険への加入によって、働けなくなった際も給付金を受給することができ安定した生活を送れるでしょう。まだ社会保険に加入していないアルバイトの方は、社会保険の加入条件を自分の状況と照らし合わせて、今一度見直してみることをおすすめします。

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