アルバイト収入が103万円を超えたらどうなる?税金の変化を解説

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1 導入

アルバイトが仕事をするうえで「年収の壁」は意識すべきです。年収の壁とは、税金面の待遇が変わる基準となる額のことで、その一つに、所得税の有無や扶養者の税金負担の量に関わる「年収103万円の壁」があります。この記事では、年収103万円の壁の意味や超過せずに計画的に働く方法、そして、その他の収入の壁についてご紹介します。



2 アルバイトの「年収103万円の壁」とは

まずは、アルバイトの「年収103万円の壁」について概要を理解しましょう。以下では年収103万円を基準に何が変わるのか解説します。

2-1 所得税の有無
アルバイトにとって、年収103万円という額は所得税に関するボーダーラインです。年収が103万円以下であれば所得税はかかりませんが、超過した分に対しては所得税と復興特別所得税が課税されます。
103万円の内訳は、給与収入から差し引かれる給与取得控除の55万円と、すべての労働者に適用される基礎控除の48万円です。

2-2 扶養者の税金負担の変化
年収が103万円以下だと、扶養控除の額に対する住民税と所得税が免除される分、扶養者が負担する税金は減ります。一方で超過してしまうと、控除の対象外となり、その分だけ税金負担が増えてしまいます。
扶養控除額は、その年の12月31日時点で16歳以上の場合、住民税が33万円、所得税が38万円控除されます。12月31日時点で19~22歳の場合、「特定扶養控除」として控除額が増え、住民税が45万円、所得税が63万円控除されます。



3 年収103万円をオーバーしないための工夫

では、年収103万円を超過しないようにするには、どのような工夫が必要でしょうか。以下で3つの方法をご紹介します。

3-1 職場に103万円を超えたくないことを伝える
アルバイトで年収103万円を超過したくないと考えている場合、まずは職場に相談してみましょう。事前に「親の扶養内で働きたいため、年収が超過しないようにお願いします」などと自分の意思をアルバイト先に伝えておくことで、アルバイト先の職場はそれを加味してシフトを組んでくれるでしょう。

3-2 1ヶ月の稼ぎの目安を8万円以下にする
アルバイト先に相談するだけでなく、自ら1ヶ月の収入の目安を8万円以下にするよう調整することも有効です。103万円を12ヶ月で割ると85,833円であるため、1ヶ月の収入の目安を8万円以下にすることで超過を防止できます。
ただし、ボーナスや報奨金が出る可能性がある、年末の繁忙期に人手不足になる可能性がある、学校の長期休暇と繁忙期が重なる、などといった場合は注意して労働量を調節しましょう。

3-3 月々の収入をアプリなどで管理する
シフト管理アプリなどを活用して、月々の収入を管理することも有効な方法です。アプリを使えば、自分で管理している際にどうしても生じてしまうミスをなくすことができるでしょう。アプリによっては稼いだ金額を可視化して、どれくらいの収入を得たかを分かりやすく表示できるものもあり便利です。



4 103万円以外の「収入の壁」

アルバイトにおける「103万円の壁」以外にも、世の中には注意しなくてはならない「収入の壁」が存在します。以下で4種類の収入の壁についてご紹介します。

4-1 収入106万の壁
パート従業員が気をつけるべき収入の壁が、106万円という額です。パート先の職場が501人以上の規模の場合、年収が106万円になると、企業の社会保険へ加入する義務が生じます。それまでの扶養から外れて、自ら保険料を払わなければなりません。

4-2 収入130万の壁
年収が130万円を超過すると、健康保険の扶養から外れることになります。勤務先の社会保険の加入対象でない場合も、国民健康保険に加入して健康保険料を自ら支払わなければなりません。一方、勤務先の社会保険の加入条件を満たしているのなら、勤務先の社会保険に加入して保険料を支払います。

4-3 収入150万の壁
年収150万円は、特に成人したパート労働者が気をつけなければならない額です。配偶者特別控除を満額(38万円)受けるだけの、被扶養者の年収の上限にあたります。
配偶者特別控除を満額受けるためには、扶養者の所得が900万円以下であり、被扶養者の年収が150万円以下でなければなりません。これらを超過すると、段階的に控除額が減ってしまいます。

4-4 収入201万の壁
収入201万円も、同じく成人したパート労働者が気をつけなければならない収入の壁で、配偶者特別控除の適用ラインです。配偶者特別控除は、配偶者の収入が103万円以上201万円以下までが適用の対象となります。201万円を超過してしまうと、控除額が0円となります。



5 まとめ

多くのアルバイトの方が、特に年収を気にせず、入れるときにシフトに入って多く稼げた月には喜びを感じているかもしれません。しかし、もしも年収が今回ご紹介したような「壁」に近い金額になりそうなら、ぜひ意識してみましょう。ちょっとした工夫で調整して、予想外に扶養から外れたり、控除額が減ったりしないようにしてくださいね。

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