資格を取得して就活を有利に進めたい、仕事に生かしたい、と考える方は多いでしょう。就職活動での成功や仕事でのステップアップを目指すなら、資格の取得が有効です。
では、ニーズの高い人気の資格にはどういったものがあるでしょうか。資格には多くの種類があり、人気の度合いや難易度もさまざまです。そこでこの記事では、資格取得の難易度別に、人気の資格ランキングを紹介します。
【初級】人気資格ランキング
仕事で役立つ資格は数多くあり、なかには比較的取得しやすいものもあります。まずは取得しやすい資格を狙って、その後の学習や仕事につなげましょう。ここでは人気の資格のうち、比較的取得が容易だと言われるものをご紹介します。ITパスポート
情報処理技術者試験のうち最も易しいレベルの資格です。現代では、専門的なITエンジニアでなくてもITに関する正確な知識を求められるケースも多くなったため、平成21年に設立されました。
ITパスポート試験で問われる内容は、ITエンジニアが基礎知識として学ぶ必要のあるものが大半であるため、ITエンジニア志願者が最初の一歩として取得を目指すケースが多いようです。
試験の形式はパソコンを使った選択問題です。問題は100問あり、合計点に加えてストラテジ系・マネジメント系・テクノロジ系のそれぞれで必要点を取らなければなりません。
危険物取扱者
危険物取扱者は、ガソリン・インク・金属粉など燃焼性が高い物品を扱う職業です。この資格を取得すれば、化学工場やガソリンスタンドなどで勤務できます。
危険物は1類~6類に分かれており、資格の種類によって扱える危険物が異なります。甲種ではすべての危険物を、乙種では試験に合格した類の危険物を、丙種では4類に分類される危険物の一部を扱えます。最も人気が高い乙種4類(乙4)ではガソリン・灯油・軽油などを扱えるため、全国のガソリンスタンドやタンクローリーのドライバーなどさまざまな業種に就職しやすくなるでしょう。
衛生管理者
衛生管理者は、会社内での勤務環境や労働者の健康を管理する仕事です。職場内の照明・温度・騒音などを確認したり、従業員の健康診断や環境整備などを行ったりすることで労働災害を未然に防ぎます。
また、一定以上の規模の会社では、衛生管理者の配置が義務付けられています。そのため、衛生管理者の資格を取得すれば、社内管理者に必要な知識を身につけて総務・労働管理部門で活躍できるでしょう。
なお、衛生管理者の資格試験を受験するためには、学歴と労働衛生分野での実務経験が必要です。大学を卒業していても1年間の実務経験が必要となるため、取得の際は長期的な計画を立てましょう。
【中級】人気資格ランキング
資格試験を受けるためには、ある程度の学歴や業界内での実務経験を求められる場合があります。ここでは、人気資格のうち、既出の資格よりも取得難易度がやや高い資格をご紹介します。ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルプランナーとは、お金に関するさまざまな相談に対して、顧客の夢や希望が叶うようにアドバイスやサポートを行う仕事です。年金・不動産取引・税金など幅広い分野を扱っており、顧客のさまざまなデータやライフイベントを考慮しつつサポートします。
ファイナンシャルプランナーの資格は3段階の級に分かれており、いずれも筆記試験と実技試験があります。2級以上を受けるためには前等級までの資格を取得しているか、ファイナンシャルプランニングの実務経験が必要です。
社会福祉士
社会福祉士は、高齢者や障害者などの福祉サービスを必要とする人に対して、各種助言や援助を行います。現在、社会福祉士の人手は全国的に不足しているため、取得しておくと介護・福祉分野において大きなアドバンテージが得られるでしょう。
社会福祉士資格試験の受験資格は、学齢期や実務経験により異なります。実務経験には児童相談所や知的障害児施設、介護保険施設、点字図書館など多くの施設での勤務が含まれるため確認しておきましょう。ただし、指導員や保育士など、実務経験として認められない職種もあるため注意が必要です。
保育士
保育士は、保育園で子どもを保護者から預かり面倒をみる職業です。子どもと遊んだり、食事・着替えの補助をしたりして、基本的な生活習慣や社会性などを身につけさせます。
また、子どもの面倒をみる以外にも、書類作成や行事企画、設備点検なども行います。多くの子どもたちと触れあいながら成長を間近でみられるため、子ども好きな人からの人気が高い職業です。
保育士の資格試験は、規定の学歴か実務経験があれば受けられます。試験では9科目がマークシート形式で出題されます。いずれの科目も合格後3年間の有効期限があるため、一度にすべて合格しなくとも期限内に不合格科目を再受験して合格を狙えるでしょう。
【上級】人気資格ランキング
日本に多数ある資格のなかには、「士業」と呼ばれる種類の資格があります。いずれも非常に難しい資格として知られており、取得できれば将来的に独立開業も狙える職業です。この章では人気資格のうち、士業に含まれる資格をご紹介します。公認会計士
公認会計士は、会社の監査や会計を扱う仕事です。具体的には、会社の決算報告に不正がないか確かめ、大企業が株主に経営状況を伝える際に報告内容が正しいことを保証します。監査業務のほか、経営戦略やM&Aなどのコンサルティングなども仕事範囲です。
公認会計士の資格は難関資格として知られていますが、受験資格はないため誰でも受験可能です。マークシートによる4科目の短答式試験と応用力を判断する9科目の論文式試験があり、短答式試験に合格してから1年間論文式試験に向けて勉強するのが一般的です。
司法書士
不動産の売買や会社の設立などに伴う法的手続きを代行する仕事です。裁判所や法務局などに提出する書類を作成したり、弁護士に代わって簡易裁判所で裁判を担当したりすることもあります。書類作成や手続きを中心に、いろいろな場面で市民に寄り添います。
司法書士試験は受験資格がなく、合格するまで何度でも挑戦できることが特徴です。試験は、筆記試験と口述試験に分かれており、筆記試験に合格すると口述試験を受験できます。難易度の高い試験に合格してからも、全国の司法書士会で研修を受ける必要があります。
税理士
税理士は、税務に関する書類作成・指導・助言などさまざまなサポートを行う仕事です。顧客の代理として、税務官公署に申告や申請などをしたり、確定申告書・青色申告承認申請書などを作成したりとさまざまな書類を扱います。その他、税額の計算や法的処理の相談に応じることもあります。
税理士試験を受けるためには、いくつかの方法で受験資格を満たさなくてはなりません。大学で法学・経済学に関する科目を履修して卒業する、簿記検定1級を取得する、官公署で税関連の事務を2年以上勤めるなどが主な方法として挙げられます。一定の条件を満たせば試験の一部、あるいは全部が免除される場合もあります。