飲食店の開業に必要な資格とは?飲食関連で人気の資格も紹介

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1 導入

飲食店を開業するなら、「食品衛生責任者」などの資格を必ず取らなければなりません。飲食業は食中毒や火事などのリスクがあるため、安全性を確保するためにいくつかの資格が必須とされているのです。そのほか、持っていることで飲食業界において役立つ資格もあるため、お客様から高評価を受けるためにも積極的に取得を目指してみましょう。この記事では、飲食店に関連する資格について解説します。



2 飲食店の開業に必要な資格

飲食店を開業する際には必ず1つ、場合によっては2つの資格所有者が必要です。法律面の条件を満たすためというだけでなく、お客様や従業員の安全を守るためにも欠かせないため、必ず経営者自身が資格を取得するか資格所持者を採用しましょう。

2-1 食品衛生責任者
飲食店や食品製造工場など、食品の衛生管理が必要な事業を行う際に必要な資格です。飲食店を開く場合は、店舗ごとに食品衛生責任者養成講習会修了証の所有者を1人配置する必要があります。
講習会は、全国の食品衛生協会で開催されています。なお、栄養士や調理師などの資格と食品衛生に関する知識を持っていれば、食品衛生責任者の資格は不要です。また、似た資格に「食品衛生管理者」がありますが、食品衛生責任者は自治体が、食品衛生管理者は国が管理しているという点で異なります。

2-2 防火管理者
収容人数が30人以上に達する店舗では、防火管理者の選任が求められます。ここでの「30人」とは、客席だけでなく従業員も含めた人数です。収容人数に加えて店舗の延床面積によっても区分されており、300㎡を超える大きな店舗では「甲種防火管理者」が必要です。
防火管理者講習は、店舗開店場所を管轄している消防署で受けられます。費用や日時は自治体ごとに異なりますが、一般的に甲種防火管理者の講習は2日間必要になるため、それを念頭に予定を組みましょう。



3 飲食関連で人気の資格

飲食店を経営するうえで必須の資格は多くありませんが、所持しておくと役立つ資格がいくつかあります。この章では、飲食関連で、必須資格以外の人気資格を紹介します。

3-1 調理師
美味しく安全な料理を作れることを証明する資格が、調理師免許です。調理そのものの技術・知識に加えて、食材や衛生管理など、飲食業の幅広い分野についての知識が求められます。調理師免許を持っていなくとも飲食店経営は可能ですが、所持していれば将来的に飲食業界での転職・昇進などで有利になるでしょう。
試験を受けるためには、学歴と職歴の条件を満たすことが必要です。ただし、学歴は中学校を卒業していれば良いため、事実上職歴だけが考慮されます。具体的には、飲食店営業・魚介類販売業・学校や病院などの給食施設などで、2年以上調理業務を務めていれば条件を満たします。

3-2 栄養士
栄養士は、お客様が健康的な食生活を送れるように、栄養指導や給食管理などを行う仕事です。栄養士養成施設認定を受けた学校を卒業すれば、資格を取得できます。
栄養士の上位資格に「管理栄養士」があり、こちらは専門的な知識・技術を生かして、お客様一人ひとりの体調や年齢などに合わせた適切な献立を考える仕事です。栄養士の資格取得後に、キャリアアップ先として目指したい職業でしょう。
栄養士や管理栄養士は、飲食店以外にも、医療施設・小中学校・行政機関・試験研究機関などさまざまな場所で働いています。資格を取得すれば、将来の展望に応じて幅広い選択肢から選べるでしょう。

3-3 フードコーディネーター
フードコーディネーターは、商品開発・レストランのプロデュース・販促などフードビジネス全般に関わる仕事です。「料理写真の撮影時に美しく、美味しそうに見えるような盛り付け方・テーブルコーディネートを考える」「決まった食材からレシピを考案する」など、食のプロデューサーとして多方面で活躍します。飲食業界においては、店長候補やマネージャーとしての活躍が期待できます。
フードコーディネーターの資格は3級~1級に分かれています。2級から専門的な内容が多くなり、1級ではプロとして活躍するために欠かせない実践的な知識・技術が求められます。

3-4 レストランサービス技能士
レストランでのお客様に対するサービス技能を測る資格が、レストランサービス技能検定です。ウェイターやウェイトレス、マネージャーが、取得によって給仕や接客の能力を持っていることを証明できます。資格取得によってレストランと従業員にお客様をもてなす技術が備われば、お店の評価も上がるでしょう。レストランサービス技能士は国家資格のため信頼性も高く、転職やキャリアアップにも役立ちます。
レストランサービス技能士の資格は3級~1級があり、それぞれ必要な学歴・職歴が異なります。基本的に前の級に合格してから数年レストランなどで勤めれば次の級の受験資格を満たすため、一つずつ確実に取得していきましょう。

3-5 ソムリエ
レストランなどの飲食店で、ワインを中心とした飲料サービスを行う仕事です。お客様の要望や料理に合わせたワインを選定・提供するだけでなく、仕入れるワインの選択や在庫リスト作成なども行います。近年では、高級レストラン以外でもワインを扱う多くの飲食店でソムリエの求人が出ています。
ソムリエの資格は主に「JSAソムリエ」と「ANSAソムリエ」の2種類があります。JSAソムリエの方が条件面で厳しく、その分業界からの評価も高くなります。JSAソムリエの試験は筆記・テイスティング・実技の3段階に分かれており、最初に受ける筆記試験が最も高難度とされます。

3-6 日本ビール検定
日本ビール検定は「びあけん」とも呼ばれており、国内外のビールに関する歴史・製法・種類・飲み方などの各種知識を問う資格です。ビールは一般家庭でも多く飲まれるお酒のため、ビールを扱う飲食店で勤務していなくとも、プライベートでも役立つでしょう。
ビール検定は20歳以上であれば誰でも受験できます。

3-7 カクテル検定
カクテル検定は、カクテル・リキュールの種類や作り方、フルーツカット方法などカクテルに関するさまざまな知識を問う資格です。「カクテルを身近に楽しんでもらう」ことを目的に設けられているため、専門性は高くありませんが、カクテルの知識が多ければ自店舗でのサービスに生かせるでしょう。
なお、カクテルに関する資格としてはほかにバーテンダーの資格がありますが、こちらは基本的にバーテンダーとして働いていないと受験できません。



4 まとめ

この記事では、飲食店を開業するために必須の資格と、そのほかに人気がある資格をご紹介しました。飲食店は多くの人々の生活に深く関わる存在である一方で、少しのミスで大きなトラブルや事故などを招く危険性もあります。お客様に安心・安全なサービスを提供して楽しい時間を過ごしてもらえるよう、また、自身のキャリアアップや転職を実現できるよう、適切な資格取得を目指しましょう。

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