人手不足がもたらす影響とは?解消できない理由や対策なども解説

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少子高齢化や新型コロナウイルス感染症などの影響により、人手不足が問題となっている企業は増加傾向です。しかし、人手不足は事業の縮小や残業時間の増加など、企業にとって好ましくない事態を引き起こしてしまいます。
この記事では、人手不足がもたらす影響について、人手不足が解消できない理由や解消のための対策とあわせてご紹介します。


人手不足が企業にもたらす影響

人手不足によって起こり得る影響にはどのようなものがあるのでしょうか。ここでは、3つの影響についてご紹介します。

①事業の縮小
社員一人ひとりの処理可能な業務量には限界があるため、人手不足が起こると必然的に行える業務量も減少します。人手不足が長期で続くことになれば、結果的に事業規模を縮小しなければならない状況にもなり得るでしょう。

また、そのほかの影響として、社内教育の強化や人材育成など、会社として取り組むべき課題に社員を割り当てることも難しくなる場合があります。さらに、人手不足の長期化によって一人あたりの業務量のバランスが崩れ、社員の負担が増加するかもしれません。その影響が社員の離職を促し、さらなる人手不足へとつながってしまう恐れがあります。

②残業の増加
前述したとおり、人手不足の影響で業務量のバランスが崩れると、社員の残業が増加することがあります。
残業が増加すれば、社員に疲労が蓄積し仕事効率の低下を引き起こすこともあるでしょう。業務が進まないことによって、ますます残業量が増えるという悪循環にも陥りかねません。この悪循環は、人手不足が長期化することで引き起こされるリスクが高まるため、少しでも早い対処が求められます。

③社員のストレス増加
社員一人あたりの業務量が増えることで、社員のストレスが大きくなることも考えられます。
特に精神的ストレスが増加する影響で、仕事にやりがいが持てなくなったり、「何のために働いているのか」と疑問を感じてしまったりして、仕事に意欲的に取り組めなくなる場合があります。その影響で業務の処理能力が下がり、負担がほかの社員にも移っていってしまいます。


人手不足が解消されない理由

ここまで述べたとおり、人手不足はさまざまな悪影響を及ぼすとわかっているにも関わらず、多くの場合なかなか解消されていません。人手不足が解消されない背景には、どのような理由があるのでしょうか。

生産年齢人口の減少
人手不足が解消されない理由の一つに、少子高齢化の影響で生産年齢人口が減少していることが挙げられます。
「生産年齢人口」とは、労働意欲の有無を問わず、社会で働くのに適した年齢である15~64歳までに該当する人口のことです。

NHKが行った調査によれば、生産年齢人口は1995年にピークを迎え、それ以後は減少を続けており、2015年にはピーク時から1,000万人も減少しているという結果になりました。生産年齢人口は、少子高齢化による人口減少にも影響され、昨今深刻な問題となっています。

今後、生産年齢人口が増加する見込みはなく、2050年にはさらに2,000万人以上の生産年齢人口が減少することが予想されています。

人材獲得競争の激化
人手不足が解消されない原因の二つめは、人材確保を巡る企業間の競争が激化していることです。生産年齢人口の減少に伴い、優秀な人材が来るのを待つのではなく、企業間で取り合う構図になってきています。

厚生労働省は、有効求職者数に対する有効求人数の割合を示す「有効求人倍率」を毎月公表しています。令和3年3月時点での有効求人倍率は1.10倍となり、平成26年度以降から常に1倍を上回る結果となっています。
有効求人倍率は、1倍で一人に一つの求人があることを指すため、この結果から企業の人手不足が慢性化していることがわかるでしょう。

なお、現在は新型コロナウイルス感染症の影響により、有効求人倍率の一時的な減少が見られています。しかし、新型コロナウイルス感染症が収束した際には、再び有効求人倍率の上昇が予測されています。


人手不足への対策

では、人手不足への対策としてはどのような方法があるでしょうか。以下で3つの方法をご紹介します。

①高齢者雇用の拡大
日本における健康寿命は80.9歳とされ、世界的に見ても高い水準にあります。また、生産年齢人口の減少により、シニア世代の労働力が企業で注目されはじめています。さらに、行政でも「高齢者雇用継続給付金」など高齢者の雇用を促進させるような制度を用意しており、企業における高齢者雇用の拡大を推進しています。

今後は定年年齢の引き上げなども検討されていくことが考えられるため、労働意欲のある高齢者を積極的に採用することは、人手不足への有効な対策となるでしょう。

②外国人人材の採用
外国人人材を採用して外国人労働者を雇用することも、人手不足の解消につながります。
出入国在留管理庁によると、令和2年末の在留外国人は約288万人に上り、これには永住者のほか、就労ビザを持たずに技能実習生として働いている外国人も多数含まれています。

現在は新型コロナウイルス感染症の影響により減少傾向ですが、長期の見通しでは在留外国人の増加が予想されています。同時に、外国人労働者の需要も増加すると考えられるでしょう。

③AIやシステムの活用
AIやシステムを活用することによって、業務効率を改善して生産性を上げることも一つの手でしょう。生産性を上げることによって、業務量のバランスが保たれ新たな社員を確保せずとも問題が解決する場合もあります。

近年は技術の進歩によって、多種多様なツールやテクノロジーが出てきており、それらをうまく利用すればビジネスを加速させることが可能です。具体的には、コンビニでの無人レジの導入や、チャットツールの活用、勤怠管理システムの導入、会計ソフトの導入などが例として挙げられます。


まとめ

人手不足による影響は計り知れないものがあります。人手不足による残業の発生から社員のストレスが増加し、最終的には離職率が上昇してしまうという負の連鎖に陥ってしまうことも少なくありません。人手不足の対策にはさまざまな方法があります。自社の方針や業務内容などを考慮し、適切な対策をとって早期に人手不足問題を解決しましょう。

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