不正受給にならないために!申請前に知っておくべき「雇用調整助成金」

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新型コロナウイルスによる影響で、多くの企業が労働者の雇用調整を余儀なくされました。しかし、企業努力だけでは足りないケースがあるのも事実でしょう。そんな中、労働者の雇用を守るための「雇用調整助成金」の申請が増えていることをご存知でしょうか。実はこの「雇用調整助成金」、手続きに慣れていないと、たとえ故意ではなくとも不正受給となってしまう危険性があるのです。そうなると、逆に企業存続や労働者雇用にマイナスの影響が出てしまいかねません。
この記事では雇用調整助成金について、誤って不正受給扱いを受けないための知識をご紹介します。


この記事の概要

・そもそも「雇用調整助成金」はどのくらいお金を貰えるの?
・不正受給の例と発覚後の流れ
・不正受給になってしまった事例?
・まとめ


そもそも「雇用調整助成金」はどのくらいお金を貰えるの?

1人1日15000円もらえる?

雇用調整助成金とは、新型コロナウイルス感染症の影響により事業活動の縮小を余儀なくされた場合に、労働者の雇用維持を図るために、労使間の協定に基づき雇用調整(休業)を実施する事業主に対して、休業手当などの一部を助成するものです。制度自体は以前からありましたが、コロナ特例措置として、助成率及び上限額が引き上げられました。
具体的には、1人1日15,000円を上限額として、労働者への休業手当などの最大100%が受け取れます。助成率は、企業規模や緊急事態宣言による自粛に応じたかどうか、売上高など生産指標の減少率、解雇の有無などにより異なります。

今回の特例措置の対象期間は、2020年4月1日から2021年4月30日までの期間を1日でも含む「賃金締切期間(判定基礎期間)」です。手続きは都道府県労働局またはハローワークで行い、審査を経て支給可否が決定されます。
なお、国は企業が休業期間中を有効活用して労働者の教育訓練に取り組むことを推奨しています。そのため、そういった取り組みを実施した企業に対しては、通常の雇用調整助成金に、教育費用の一部に充てるための助成金が加算されます。


不正受給の例と発覚後の流れ

どういう場合に不正受給になるのか解説!

不正受給

公金の受給は法令に則り正確に行われなければなりません。では、もしも雇用調整助成金の不正受給が公に発覚した場合は、どのような流れで罰則が科されることになるのでしょうか。

休業や教育訓練の期間や人数を実際より多く見せかけて申請することは、不正受給に当たります。不正時点より後に給付された雇用調整助成金は、休業や教育訓練を実際に行っていた分も含めて、全額返還しなければなりません。

有給休暇や欠勤は休業とはみなされず、労働者の自主的な出社も休業とはみなされません。これらについて偽って雇用調整助成金を受けることは、不正受給となります。
教育訓練時間は雇用調整助成金給付対象ですが、その一部で通常業務を行っている場合、その時間や労働者は対象になりません。また、講師がいない教育訓練や平常時と同じく行われるオンザジョブトレーニングも給付対象外です。

上記のような不正受給が発覚した場合、まず捜査機関によって詐欺罪の疑いで逮捕・捜索されます。事前連絡があった上で取り調べを受けて逮捕されることもありますが、事前連絡なくいきなり逮捕されることもあります。あるいは、職場にいきなり捜査関係者が入ってきて捜索され証拠を差し押さえられる可能性もあるようです。
その後、不正受給の判定基礎期間以降に受け取った全金額を返還しなければなりません。さらに、以後3年間は雇用保険二事業(雇用安定事業・能力開発事業)を財源とする公的助成金(ハローワークで取り扱う助成金のほぼ全て)を受けられなくなります。


不正受給になってしまった事例?

ここでは、典型的な不正受給事案を見ていきましょう。

不正受給 事例

自社の事業と労働者の雇用を守るためにも、実際の事例を把握しておくことは重要です。

具体例①
メーカーX社では、コロナ禍で一部労働者を休業させて、雇用調整助成金を受領していました。次第に受注が回復してきたため休業させていた労働者を業務に戻らせましたが、引き続き休業させているように偽りの申請をして雇用調整助成金を受けていました。
その後、労働局が事前連絡なしで訪問調査して不正が発覚しました。不正受給事業主として公表されたことによって、銀行からの融資や取引先からの取引を断られるなどの社会的制裁を受けたとのことです。

具体例②
サービス業Y社は、休業予定だった労働者を急に仕事ができた時などに働かせることがありましたが、休業したと嘘を申告していました。さらに、有給休暇を取得した労働者も休業したとして偽りの申請をし、雇用調整助成金を取得しました。
その後、「自分は会社の不正受給に利用されているのではないか」と疑った労働者が、労働局に相談して不正が発覚しました。本当に休業していた分を含め、雇用調整助成金の全額を返還しなければならなくなったとのことです。

具体例③
情報・通信業Z社は、実際には通常業務を実施しているにも関わらず、1日中教育訓練を実施していたと嘘の申告をしました。
労働局が労働者へのヒアリングやアンケート調査を実施した結果、教育訓練の実施時間帯にも一部で通常業務を行っていたことが発覚しました。不正受給扱いとなり、真面目に勉強していた時間の分も含めて全額返還することになったとのことです。


まとめ

雇用調整助成金は正しく活用すればとても有益な制度です。しかし今回ご紹介したように、場合によっては意図していなくても不正受給になってしまう場合があります。利用する際は、事前に制度をよく理解し、十分に注意を払って運用しましょう。
新型コロナウイルス感染症は、いつ終息するか現状定かではありません。会社や従業員の今後を見据え、雇用調整助成金を正しく利用して明るい未来を迎えたいものですね。

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