正社員と比べると気軽に雇えるアルバイトは多くの店舗や会社などで活用されていますが、必ずしも適切な形で雇用されているとは限りません。正社員と同様にアルバイトにも法定労働時間が適用されるほか、正社員と異なるルールも設けられており、法に則って適切に管理しないと、会社の信用を失い経営に大きな悪影響が出るかもしれません。
この記事では、アルバイトを中心に法定労働時間の基礎知識や勤怠管理の重要性などを解説します。
法定労働時間とは
労働者の労働時間の上限は「法定労働時間」として労働基準法により定められています。基本的にどのような雇用形態でも同じルールが適用されますが、年齢や業種・規模などにより違いや例外があることもあります。以下で法律上の労働時間について詳しく見ていきましょう。労働時間のルール
労働時間は労働基準法により上限が定められており、「法定労働時間」と呼ばれます。労働基準法では休憩時間を除いた週40時間・日8時間を超える労働を禁止しており、この労働時間が法定労働時間です。休日も毎週1日以上、あるいは4週間に4日以上設ける必要があります。雇用者が従業員を働かせる時間は「所定労働時間」と呼ばれ、原則として法定労働時間を所定労働時間が上回らないように定めなくてはなりません。
所定労働時間が法定労働時間を超える場合は「法定外時間外労働」となり、雇用者は追加の賃金として残業代を支払う義務が生じます。所定労働時間を超える時間の労働でも法定労働時間を超えていない場合は「法定内時間外労働」となり、追加賃金支払いの義務は生じません。
アルバイトや18歳未満の場合の法定労働時間
正社員以外のアルバイトやパートなどに対しても、正社員と同じ基準で法定労働時間が定められています。労働基準法では正社員やアルバイトなどの区別をしておらず、法定労働時間や残業代の金額なども同様の基準です。
一方、有給休暇の付与に関しては正社員と異なります。正社員が勤務年数で付与される一方で、アルバイトやパートは週あたりの労働時間や日数で決まります。
また、高校生など18歳未満の労働者は「年少者」という扱いになり、一般的な大人の労働者と異なる定めが設けられています。基本的には深夜帯の労働が制限されており、午後10時~午前5時までの間、および時間外・休日の労働も禁止です。
法定労働時間の例外が認められている業種
法定労働時間は原則としてどの雇用者にも適用されますが、職場によっては例外が認められるケースもあります。
具体的には、常時働いている従業員が10人に満たない場合、「特例措置対象事業場」と呼ばれて日8時間・週44時間までの労働が認められます。従業員数はアルバイトやパートも対象です。該当し得る業種としては、商業や映画・演劇業(映画製作事業を除く)、保健衛生業や接客娯楽業が挙げられます。なお、18歳未満の年少者には例外が適用されません。
法定労働時間を超えてしまった場合
法定労働時間は労働時間の上限であるため、原則として法定労働時間より長く従業員を働かせてはなりません。法定外の時間でも労働させるためには「36協定」に則った行動が求められており、書面による契約と労働基準監督署への届出が必要です。法定外労働の際には賃金を多く支払わなくてはなりません。これは「残業代」と呼ばれるもので、通常の賃金から25%割増になります。休日や深夜の労働はさらに賃金の増加量が増えて、休日かつ深夜に労働した場合は通常の賃金から60%割増の賃金を支払う必要があります。雇用者と従業員がともに同意していても、通常賃金のままでの時間外労働は禁止されているため注意しましょう。
法定労働時間を守るためには勤怠管理が必要
法定労働時間は雇用者が守るべきルールであり、健全な経営のために欠かせません。意図せず法定労働時間を破ってしまったといった事態を防ぐためにも、勤怠管理を適切に行いましょう。その際、勤怠管理システムを活用すると素早く正確な管理が容易に行えます。この章では勤怠管理の重要性と勤怠管理におすすめのツールを紹介します。勤怠管理の重要性
従業員の出退勤時刻や休憩時間などを把握するために、勤怠管理は重要です。雇用者や従業員の自覚がなくとも、働きすぎていたり適切な賃金が払われていなかったりすることもあるため、就業状況を詳しく正確に知っておく必要があります。
特にアルバイトは時給や労働時間、従業員の年齢による制限など扱う要素が多く、適切に管理できていないと法律違反になりやすいため注意しましょう。会社としてコンプライアンスを守り世間から悪印象を持たれないようにするためにも、勤怠管理の徹底は欠かせません。
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まとめ
この記事では、アルバイトを中心に、法定労働時間の影響に関する解説と、勤怠管理の重要性について紹介しました。法定労働時間は従業員が健全な生活を維持するうえで大切なルールであり、守らない場合は会社にとっても不利益が生じます。所定労働時間が多すぎないか、法定外労働に対する賃金の支給額は正しいかなど、従業員の心身に余計な負荷をかけないように注意が必要です。勤怠管理により法定労働時間をしっかりと守り、みんなが気持ち良く働ける環境を作りましょう。