withコロナ時代になり、日本企業でもテレワーク需要が増加しました。しかし、テレワークという新しい働き方に不透明感を持つ企業も多いでしょう。
本記事では、最新のデータを交えてテレワークの実態を読み、テレワーク導入企業や出勤者数の割合を解説します。そのうえで、テレワークによって生じる労務管理の新たな課題と、それを解決する「クラウド型勤怠管理サービス」を、具体的な内容を交えて解説します。
テレワークの実態
2021年現在の日本企業におけるテレワークの実態はどうなっているのでしょうか。データ解析
一般社団法人日本経済団体連合会(経団連)が企業を対象に2021年1~2月に実施した「緊急事態宣言下におけるテレワーク等の実施状況調査」(回答505社)では、以下の事実が明らかになりました。
・テレワークが実施可能な業務で、実際にテレワークを実施している企業は90%。
・テレワーク推進などの施策により、緊急事態宣言対象となった事業拠点の出勤者135万人(エッセンシャルワーカーなどを除く)中、約65%(約87万人)の出勤者を削減。
また、公益財団法人日本生産性本部が勤労者を対象に2021年1月に実施した「第4回 働く人の意識調査」(回答1,100名)によれば、コロナ後もテレワークを行いたいかについて「そう思う」「どちらかと言えばそう思う」の合計が76.4%でした。
このように、コロナで多くの企業においてテレワークが実施され、新しい働き方の観点からも一定の成果が出たことが読み取れます。
テレワーク推進によるIT化の急増
前項の経団連の調査結果では、2020年4月の緊急事態宣言以降にテレワーク推進のために実施した対応は、「情報機器や通信環境の整備」が回答企業中の95%、「業務内容やプロセスの見直し」が同87%、「人事制度や勤務体系の改定」が同66%でした。ここから、コロナ対策としてのテレワーク推進により、大半の企業がIT化や業務効率改善を図ったことが分かるでしょう。
しかし、多くの企業が、特に人事制度や勤務体系のIT化の分野で改革の難しさを感じているようです。なかでも従業員の勤怠管理は、従来からの紙・ペン・印鑑やオフィス内システムではテレワークに対応できません。
勤怠管理のIT化は、働き方改革の面からも業務効率化の点からも進めなければなりませんが、既成の仕組みを変えることが困難な組織もあるようです。
テレワークでの従業員の労働時間の管理
テレワーク導入後にも様々な課題が発生しますが、特に従業員の勤怠時間の適正な管理については、多くの企業が試行錯誤をしているようです。
2019年6~7月の調査データではありますが、エン・ジャパン株式会社が運営する情報サイト『人事のミカタ』が中小企業を対象に行ったアンケート(回答数491社)によると、「テレワークを導入している」と答えた企業に「テレワーク導入の上で、難しいと思ったポイントは何ですか?」と質問(複数回答可)したところ、最多の68%が「テレワーク社員の時間管理」、次いで59%が「テレワーク時の業務ルールの設定(始業・終業の連絡・会議出席など)と回答しました。
ここからも、労働時間や業務規則など、勤怠管理に関する項目にテレワーク導入の大きな課題があることが見通せるでしょう。
クラウド型勤怠管理サービスについて
それでは、テレワークの勤怠管理の課題と解決策には、どのようなものが考えられるでしょうか。テレワークにおける勤怠管理の課題
テレワーク環境下での勤怠管理の主な課題として、以下の3点が挙げられます。
一点目は、管理者側から、従業員の仕事の状態を把握することが難しいことです。テレワークでは管理者側から従業員側を直接に監視することはできませんので、オフィス以外でも出勤・退勤・休憩などを信頼して打刻できるシステムが必要となるでしょう。
二点目は、テレワークにおいて、従業員が時間と労力をかけて働いても、過程を正しく評価することが困難だということです。会社としては、どうしても成果に偏った評価になりがちです。そうすると従業員はすぐに数字が出る仕事ばかりやるようになり、時間と意志を必要とするイノベーションが生まれにくい社風になりかねません。
三点目として、業務災害の認定に困難があることが挙げられるでしょう。労働者災害補償保険が給付されるためには、業務と傷病の間に一定の因果関係があり、その前提として労働関係にある状態で起きた災害であることが条件です。例えば、自宅でテレワーク状態にあるときにつまずいて負傷した場合、部屋の未整理など私的な原因なのか、業務に起因するのか、判断の境界が曖昧になります。
テレワークにおける勤怠管理サービス選びのポイント
これらの課題を解決するには、勤怠管理サービスの導入が有効です。勤怠管理サービスは様々な製品がありますが、適切なサービスを選定する主なポイントを見ていきましょう。
まず、打刻機能が付いていることを確認しましょう。オフィスに出勤しなくても、会社貸与PCの電源を入れると自動で出勤が打刻され、電源を切ると自動で退勤が打刻されるといったシステムであれば、公正さを保ちやすく、入力漏れも減ります。さらに、モバイルデバイスでから打刻できれば、カフェや図書館など多様なスタイルのテレワークにも対応できるでしょう。
また、在席・離席の細かな確認ができるかもポイントです。自宅でのテレワークは、所定の休憩時間以外にも家事や家族の世話などで離席することがあるかもしれません。離席・在席を細かく確認できるシステムは、実働時間を正しく算出するためにも必要ですし、コミュニケーションを取る意味もあるでしょう。
さらに、分かりやすく、使いやすいツールであることが大事です。従業員が入力するのも、管理者が操作するのも、定着するには負担が少ない方が良いですし、ミスも減らすことができるでしょう。
おすすめのクラウド型勤怠管理システム
では、具体的にどのような勤怠管理システムを選べば良いのでしょうか。おすすめはいつでもどこでも端末を問わず操作できる「クラウド型」です。ここで、テレワークに役立つクラウド型勤怠管理システムを3つご紹介します。おすすめのクラウド型勤怠管理サービスを紹介
①IEYASU勤怠管理(IEYASU株式会社)
IEYASU勤怠管理は、人事実務に精通した専門家と共同で開発した、シンプルでありながら使いやすい勤怠管理システムです。ブラウザだけでなく、スマホアプリでのICカード読み取りに対応していて、簡単に打刻できることが魅力です。また、豊富な勤怠管理機能で毎日の打刻履歴や月々の勤怠実績をグラフやレポートで見える化できるので、勤務時間超過などにもすぐに気付くことができます。
②人事労務freee(freee株式会社)
人事労務freeeは基本的な勤怠管理機能に加えて、複雑な給与計算・年末調整・保険手続までを1つにまとめて管理できる便利なツールです。シンプルな設計で使いやすく、導入時には丁寧なサポートがあり、休憩・残業・有給など間違いチェック機能もあるため、少ない工数で迷わずに利用できるでしょう。
③F-Chair+(エフチェアプラス)(株式会社テレワークマネジメント)
F-Chair+は、働いている時間・場所・内容を同時に勤怠管理する機能に長けています。「着席」「退席」のワンクリックだけで時間記録ができ、またスマホから「着席」すると位置情報を自動取得、さらに作業画面を自動撮影できますので、緊張感を持って仕事ができるでしょう。
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