看護師が人手不足になっている原因とは?実践的な対策も紹介

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看護師は、人手不足が深刻化している職種の一つです。看護師として働く人の大半は女性ですが、結婚や出産などによって生活様式が変わるだけでなく、さまざまな要因によって人手不足が起きています。この記事では、看護師が人手不足になっている原因と看護師市場の現状、および人手不足を解決する方法について解説します。


看護師市場の現状

日本医師会のデータによれば、人口1,000人あたりの病床数が2~3床という国が多いなかで、日本の病床数は13.1床と突出しています。人口あたりの病床数が多いということは、それだけ看護師が必要とされているということです。

一方、病床に対しての看護師数について見てみると、日本は他国に比べて不足している傾向にあります。具体的には、現状は1つの病床を1人の看護師が見ることができていない状況です。

看護師の仕事は、患者の生命に関わる緊張感の伴う業務が多くを占めます。そのため、個々の看護師にかかる負荷が大きければ、意図せず業務の質が低下してしまう可能性があります。安全・安心の医療現場を維持するためには、看護師の人手不足をできるだけ早く解決しなければなりません。

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看護師の人手不足を招く原因とは?

では、どうして看護師は人手不足に陥っているのでしょうか。ここでは 看護師の人手不足が加速している背景を解説します。

看護ニーズの増加
第一に挙げられるのが、高齢化による看護ニーズの増加です。
日本は少子高齢化が急速に進んでおり、このままのペースでいくと75歳以上の高齢者が全人口の4分の1に達する「超高齢社会」になるのは時間の問題だと考えられています。超高齢社会になることによって、医療や介護のあり方が変化し、急性期の医療だけでなく、介護施設や地域包括ケア事業施設、在宅治療や訪問看護にまで看護需要が拡大すると考えられます。なかでも介護関連での看護の需要はすでに高まりつつあり、今後もこの傾向はより加速していくでしょう。

離職率の高さ
看護師の人手不足の原因として、「離職率の高さ」も挙げられます。看護師として働き始めても職を離れるケースが多く、人材が育たずに現場の人手不足を引き起こしているのです。離職率が下がらない状態が続くと、需要が高まる動きについていけずに、さらなる人手不足を引き起こす負の連鎖が続きます。
少し古いデータですが、厚生労働省によれば、平成18年時点で看護師の離職率は12.4%にのぼり、そのうち新人看護師は9.2%を占めていました。この水準はほぼ横ばい状態で、離職の要因としては「結婚・出産」「休暇が取りづらいため」「夜勤の負担が大きいため」といったことが多く挙がっています。

不規則な勤務形態
看護師は、勤務形態が不規則でプライベートとの両立が難しい仕事です。これも人手不足の原因となっています。
夜勤はクリニックや検診センターなどでは必須でない場合がありますが、病院で勤務している看護師はほとんどの場合夜勤勤務を避けられません。夜勤帯においては配置できる看護師の数が少なくなるので、急変患者や緊急入院が発生すると休息も取れないほど忙しくなる場合があります。
また、人手不足が深刻な場合、休暇をもらうことも困難です。不規則で余裕のない勤務形態が負担となり、離職する看護師は後を絶ちません。

業務量の多さ
看護師は業務量の多さという意味でも負荷の大きい職業です。これも人手不足の背景と言えるでしょう。
基本的な業務は、医師の診療補助と患者の日常生活援助の2つに分けられます。医師の診療の補助は投薬や点滴に関わる業務のことで、これによって患者の日常生活援助の業務にかける時間が制約されてしまうことがあるのです。一方で、1人の看護師が受け持つすべての患者に処置を行うにも当然ながら一定の時間がかかります。
看護師が人手不足になると、必然的に受け持つ患者の人数が増え、業務量がどんどん増えていきます。それに応じて医療事故のリスクも高まり、働く環境に不安を感じて離職するケースが多くなっているのです。

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人手不足を解決する方法

では、どうすれば看護師の人手不足を解決できるのでしょうか。 以下で主なポイントをご紹介します。

夜勤手当や残業手当を充実させる
夜勤手当や残業手当などの手当を充実させることによって、看護師の不満を軽減できます。夜勤手当や残業手当によって収入が上がれば、日頃の業務が評価されていると感じられ看護師の労働意欲も上がるでしょう。
また、他の病院よりも給与が高ければ募集をかける際も強い訴求ポイントとなります。そのため、手当の充実は雇用維持と採用実現の両面から人手不足を解消することができる施策と言えます。

ライフスタイルに合わせてサポートする
現在、日本では核家族化が進んでいます。家庭で育児に関わる人が少ないため、妊娠や出産によって夜勤をすることが難しくなることは想像に難くありません。こうした事情からやむを得ず離職してしまう看護師も多いことでしょう。そのため、看護師の生活様式に合わせたトータルサポートを行えば、無用な離職を防げます。
具体的には、勤務形態の見直しや時短勤務の採用、夜勤の免除、有給休暇や看護休暇を取りやすくすること、そして院内託児所の設置などが挙げられます。

医療ロボットやAIを活用する
看護師の人手不足の原因として、「患者と関わる」という言わば中となる業務「以外」の仕事が多いことが挙げられます。その負担を軽減するには、医療ロボットやAIの活用が効果的です。
例を挙げると、AIが毎日の検温や検査を実施して医師が直接結果をチェックする、といったフローが考えられます。こうしたシステムが成り立てば、看護師1人あたりの負担が減り、既存メンバーでも十分に業務が回るようになるでしょう。
ただし、この施策の運用にはある程度のコストがかかります。長期的に目指す姿をとして意識しつつ、まずはできるところから着手することをおすすめします。

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まとめ

今回見てきたように、看護師の人手不足を解決するには、まずは看護師の負担を減らし正しく評価することが重要です。夜勤手当や残業手当を充実させることや、看護師の生活様式に合わせたサポートなど、働く人の目線に立った負担軽減策をぜひ検討してみてください。

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